いつも大変お世話になっております。
ALLアプローチ協会 代表 山口です。
本日の記事は、
「股関節痛に対する大腿筋膜張筋〜腸脛靭帯アプローチ」
というテーマで記事を書かせて頂きます。
腰痛〜股関節痛〜膝痛など幅広い痛みで調整が必要になる
大腿筋膜張筋と腸脛靭帯アプローチですが、どこまで皆さんはアプローチしているでしょうか?
ぜひ、明日から大腿筋膜張筋〜腸脛靭帯のリリースを実践してもらえると幸いです。
【大腿筋膜張筋〜腸脛靱帯について】
(大腿筋膜張筋)
起始;上前腸骨棘、腸骨稜の前面
停止:脛骨外側課(ガーディー結節)に付着する腸脛靭帯
大腿筋膜張筋は、腸脛靱帯に埋め込まれており腸脛靱帯の緊張を維持する役割を果たしており、
それによって、股関節を安定させ側方のグラつきを防いでいる。
大腿筋膜張筋に圧痛や緊張がある場合は、股関節内転に制限を作りつつ大転子付近に疼痛があるケースが多いです。
腸脛靱帯も、TFL同様に側方のグラつきを防ぎ大転子の疼痛に関連するため、徒手的にリリースする際はどちらもセットでアプローチするのがおすすめです。
また、大臀筋との関連が深いため坐骨神経痛でもアプローチすることが多い筋肉です。
【内臓との関連】
大腿筋膜張筋、腸脛靱帯どちらも内臓との関連があります。
大腿筋膜張筋は、子宮の反射点であり、腸脛靱帯が子宮広間膜、前立腺の反射点です。
反射点の調整により、仙骨神経叢を通して自律神経系が緩和され、生殖ゾーンの代謝供給、体液循環を改善することができます。
また、骨盤内(子宮、前立腺)における緊張が減少することにより腰痛、股関節痛などにも効きます。
もし、女性でTFLや腸脛靱帯が緊張していて、腰痛が強いケースであれば、子宮が問題となっている可能性があります。
【筋膜ラインとの関連】
アナトミートレインで言うラテラルラインの一部です。
◆ラテラルラインについて↓
(ラテラルラインの構成)
・第一中足骨底
・第五中足骨底
・腓骨筋
・外側下腿区画
・腓骨
・前腓骨頭靱帯
・脛骨外側顆
・腸脛靭帯
・大腿筋膜張筋
・大殿筋
・腸骨稜
・上前腸骨棘
・下前腸骨棘
・外腹斜筋
・肋骨
・外肋間筋
・内肋間筋
・第1肋骨
・第2肋骨
・頸板状筋
・頭板状筋
・胸鎖乳突筋
・後頭骨稜
・乳様突起
ラテラルラインは、姿勢保持や動作時の体幹安定性に関わるため持続的収縮が起きやすく、血流循環が悪くなりやすい筋膜ラインです。
TFLは、肋間筋や胸鎖乳頭筋などとも繋がっているため、呼吸や首こり、肩こりなどの関連もあります。
疾患で言えば、OAやラテラルスラスト、トレンデレンブルグ兆候などにも関連が深いです。
【両側性のパターン】
大腿筋膜張筋や腸形靱帯は、両側(左右)で緊張しているケースが多い。
そのため、片側だけアプローチしても緊張が取りきれないことがあるため、両側アプローチするのがおすすめです。
【治療アプローチについて】
大腿筋膜張筋や腸脛靱帯をアプローチする際は、ラテラルラインのつながりが深い大臀筋や肋間筋、腓骨筋などとセットでやるのが良いかと思います。(両側やるべき)
さらに、姿勢保持に関わりやすい筋肉なので、施術しても動作時にまた硬くなってしまいます。
だからこそ、セルフメンテナンス指導などもセットで指導しましょう。
(テクニック一覧)
①上殿動脈リリース
大腿筋膜張筋の栄養血管は、上殿動脈なので、血管に対してアプローチする方法もあります。
②子宮アプローチ
子宮の反射点は、TFLや蝶形靱帯なので、子宮を介して筋膜を緩めることもできます。
③ポジショナルリリース
股関節を屈曲、外転、内旋位に持っていき横断マッサージをしましょう。
(TFLの作用は、内旋、外転と屈曲の補助なため)
④つながりのアプローチ
TFLは、両側で緊張しているケースが多いため、片側を緩めると反対のTFLも緩んできます。
そのため、緩ましたい方の大腿筋膜張筋をマッサージしながら、反対のTFLを押圧かけていきましょう。
本日の記事は以上となります。
最後まで記事を読んで頂きありがとうございました。
ALLアプローチ協会 代表 山口拓也