内臓調整

【内臓治療】逆流性食道炎に対するアプローチと思考方法

おはようございます。

All アプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。

本日も当協会のメルマガをご覧いただき

ありがとうございます。

今回は、

胃の内臓治療、逆流性食道炎の評価・アプローチ方法を

みなさんにお伝えしたいと思います。

前回逆流性食道炎についてメカニズムや原因について

まとめさせていただきました。

→復習

【逆流性食道炎の原因】

逆流性食道炎の原因となる胃液や胃の内容物の逆流は、

食事の内容、肥満、加齢、姿勢などによって

下部食道括約筋等の食道を逆流から守る仕組みが弱まったり、

胃酸が増えすぎることで起こります。

脂肪分のとりすぎや食べ過ぎによって、

何も食べていない時に下部食道括約筋がゆるみ、

胃液が食道に逆流してしまうことがある。

食事的要因・身体的要因、薬剤的要因・ピロリ菌などの感染の要因・心理的要因があります。

我々セラピストが関与できるポイントは

メインは身体的要因、

そして、セラピストに知識があれば対応できるのが

食事的要因、薬剤的要因、心理的要因です。

今回取り上げるのは

身体的要因についてです。

【身体的要因】

身体的要因として重要なポイントが、

下部食道括約筋、食道裂孔ヘルニアです。

逆流性食道炎は胃酸が食道に逆流してしまうことが

原因で発生しますが、

食道下部は、下部食道括約筋の活動だけではなく、

横隔膜の静止圧でも逆流を防いでいます。

しかし、食道裂孔ヘルニアによって

噴門部が胸腔内に飛び出してしまっている場合、

横隔膜の食道裂孔部分は広げられてしまい

胃酸が逆流しやすい状態となります。

食道裂孔ヘルニアの原因は、

妊娠や脊柱の後弯変形による腹腔内圧の上昇によるものがありますが、

腹腔内圧の上昇というキーワードで考え得ていくと、

裂孔ヘルニアに対する対処法を考えることができます。

〈ポイント1〉

喘息の方に対して

食道裂孔ヘルニアは喘息の咳症状が続く時にも悪化します。

咳症状が続く時には、

横隔膜も非常に強く収縮を繰り返しますが、

狭くなった気管からの排泄作用を高めるために

腹筋群や頚部周囲の筋群も緊張が強くなります。

慢性的に腹圧を高めやすくなってしまっている

呼吸補助筋をリリースするだけではなく、

患者様にそのメカニズムを理解していただき、

セルフメンテナンスで腹圧を緩めていくことが

食道裂孔ヘルニアに対しては有効となります。

〈ポイント2〉

便秘・腸内の炎症による腹圧上昇

腹腔内圧を上昇させる原因として、単純に便秘による

腹部過緊張があります。

また、乱れた食生活により

慢性的に腸に炎症が起きている状態でも

腹膜や大網・腸管膜の張りが強くなり、腹部の圧迫感が

上昇していることが多くあります。

食生活の指導とともに、大腸・小腸の可動性や緊張具合を評価し、

大腸のアライメントが崩れていないか、

小腸の可動性は保たれているか、

十二指腸に硬結はできていないか、

回盲弁に圧痛はないか

評価していくことで腹腔全体の過緊張を解決する必要があります。

〈ポイント3〉

脊柱・股関節の可動性低下

腹圧が上昇する原因として骨盤後傾腰椎前弯の減少

巨欝後弯の増加が挙げられます。

とくにハムストリングスの伸長性が低下している

デスクワーカーの方は要注意です。

ハムストリングスの短縮は座位で

骨盤後傾アライメントを作りやすく、

大腰筋・多裂筋の収縮を伴った腰椎前弯を作りにくくします。

大腰筋はDFLから横隔膜につながり、

胸腔内の筋・心膜へも連結します。

この座位姿勢における筋・関節の柔軟性が

慢性的に低下していると

徐々に後弯肢位に胃の圧迫感が強まってくるので

セルフメンテナンスが重要となってきます。

普段から股関節のストレッチに加え、腰椎前弯の強調

猫のポーズや、パピーポジションからの体幹伸展など

後弯で固まってきている腰椎を多裂筋が短縮位になるような

ポーズをすることで、

よりハムストリングスの伸長性も得られ、大腰筋・横隔膜も

収縮しやすい条件が整ってきます。

シンプルにこういった姿勢のアプローチも必要です。

姿勢は、筋の問題だけではなく

メンタル面でも影響が出やすくなります。

不安の強い高齢者で顕著なのが、

認知機能の低下や身体機能の低下により

精神的不安が強まってくると

胸の前で両手を組みながら不安そうに話すしぐさが特徴的です。

若い方でも、その人のキャラクターで猫背や

屈曲アライメントを取りやすくなります。

また、心理的ストレスは胃酸分泌を増やすので

より逆流性食道炎を悪化させます。

今回詳しくはお伝えしませんが、

精神面が姿勢に与える影響もありますが、

身体機能や姿勢がメンタルに与える影響もあります。

なので、メンタル面に対して高度なカウンセリング能力がなくとも、

胸椎が伸展し、前胸部がひらけるような身体機能を整えることができ、

適切に傾聴をして相手の悩みを誠意をもって聞くことができれば

身体面からも精神面にアプローチすることができます。

是非、内臓アプローチや筋・骨格系の影響を考慮し、

逆流性食道炎や食道裂孔ヘルニアを起こしやすい

身体環境を改善できるようアプローチしてみてください。

本日も最後までメルマガをご覧いただき

ありがとうございました。

今日も一日良い時間をお過ごしください。

鈴木 正道

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