おはようございます。
all アプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。
今日は,「下剤とマグネシウム」についてお話させていただきたいと思います。
患者様に栄養指導をしている時に、
「マグネシウムはいつも下剤で飲んでるから」
となることが時折あります。
みなさんならどう返しますか?
下剤で飲まれているマグネシウムは酸化マグネシウムといわれるものです。
体の中ではマグネシウムとして利用することができますが、
下剤なので体の中には留まりにくい種類のマグネシウムです。
マグネシウムには吸収率があり、
酸化マグネシウムは4%程度、
塩化マグネシウム(にがり)で10%
クエン酸マグネシウムやグリシン酸マグネシウムで50%の吸収率があります。
しかし、クエン酸マグネシウムやグリシン酸マグネシウムのサプリは日本では取扱いがほとんどありません。
なぜだかわかりますか?
日本人の体には高濃度のマグネシウムを多量に摂取する習慣が欧米に比べて遺伝的に無いのです。
日本人にはあまり合わないので、吸収率の高いマグネシウムの取り扱いがサプリメントでは少ないです。
また高濃度のマグネシウムを一度にとると心臓や腎臓に負担をかけるだけでなく、マグネシウムの吸収率も低下してしまいます。
なので、マグネシウムサプリメントをとる時は一度に飲むのではなく何回かに分けた方が吸収しやすいので注意が必要です。
また、マグネシウムはカルシウムとカルシウム2対マグネシウム1のバランスで摂取する必要があるのでマグネシウムだけの取りすぎも効果を減らしてしまいます。
サプリメントでも酸化マグネシウムとカルシウムをバランスよく合わせたものが多いのが現状です。
下剤でマグネシウムが足りているとうい問いに対しては、
足りてしまいます。
むしろ足り過ぎてしまうことがリスクになります
便秘の方は便が出ないからと言って服薬量を自分で増やしてしまうこともあるため注意が必要です。
便秘薬を服用されている方にサプリメントなどを勧めるのはリスクがあります。
マグネシウムの話をするときには、服薬情報は必ず確認しましょう。
便の状態を聞くことや、マグネシウム不足で生じる慢性疲労や集中力不足、便秘やイライラ感、筋の状態などを総合的に評価しましょう。
高マグネシウム血症の症状を感じたら医師に報告することを忘れないようにしてください。
【高マグネシウム血症の徴候】
・悪心・嘔吐
・起立性低血圧
・徐脈
・皮膚潮紅
・筋力低下
・傾眠
・全身倦怠感
・無気力
・腱反射の減弱 など
【マグネシウム欠乏症状】
・疲労感
・スタミナ減退・筋力低下
・筋肉痛
・イライラする・不安感がある
・集中力の低下
・手足のしびれ・痙攣(けいれん)
・ふるえ
・吐き気
・脱力感
・眠気
・高血圧
・動悸(どうき)
・不整脈
・食欲の低下
【マグネシウムが多く含まれる食べ物・飲み物】
【魚介】
あおさ(乾燥)3200mg
青のり1400mg
干しエビ510mg
わかめ(生)110mg
【豆類】
きなこ240mg
豆味噌130mg
油揚げ150mg
木綿豆腐130mg
納豆100mg
【野菜】
モロヘイヤ46mg
ほうれん草40mg
ごぼう40mg
とうもろこし38mg
【種】
ひまわりの種390mg
ごま360mg
アーモンド270mg
落花生200mg
くるみ150mg
【飲み物】
抹茶230mg
ココア130mg
コントレックス(海外の硬水)500mlあたり37mg
何を食べるべきか、何が普段の食事で取り入れやすいか患者さんと表を見ながら話し合うことで
具体的に何を買うべきか覚えてもらいましょう。
【マグネシウムの推奨摂取量】
日本人の一日マグネシウム摂取量の平均は240mg
WHOの推奨する量が一日440mg
日本の推奨量が340~370mg
※ マグネシウムの役割と摂取上の注意点を確認しましょう。
【マグネシウムの大切な役割4つ】
1、体の中の酵素のほとんどの働きをサポートする補酵素として作用
2、筋肉の働きをサポート
3、神経伝達をスムーズにする。
4、カルシウムの働きをコントロール
【摂取するにあたっての注意点まとめ】
マグネシウムは血中濃度が高まると腎臓機能が正常に働いていれば尿から排出することができます。
マグネシウムは食品から摂る場合特に問題となる副作用はありません。(少量をゆるやかに摂取・吸収できるため)
しかし、サプリメントから摂る場合は一日の上限量350mg以下にしましょう。
サプリメントなどから大量に摂りすぎてしまった場合「高マグネシウム血症」のリスクがあります。
高マグネシウム血症の症状は吐き気や喉の渇き,下痢など、ひどい場合は昏睡や心臓麻痺など。
特に腎臓の働きが弱い場合は、マグネシウムの排泄が充分に機能しないので注意が必要です。
マグネシウムはサプリメント以外でも下剤や便秘薬,制酸剤(胃薬)にも含まれています。
医薬品とマグネシウムサプリを併用する場合は必ず主治医や専門家に相談してください。
できることなら栄養指導や生活指導、施術を通して便秘薬のいらない体を目指していきたいのが本音ですね
患者さんとの何気ない会話の中でも知識があれば適切に説明を返すことができますね。
必要であれば医師に確認をとりながら栄養の提案をしていきましょう。
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日も一日良い時間をお過ごしください。
all アプローチ協会 鈴木 正道