その他

体液循環システムの治療「リンパ液」の仕組みについて

おはようございます。

オールアプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。

本日も当協会のメルマガをご覧いただき

ありがとうございます。

今回は、理学療法士・作業療法士・柔道整復師の方々へ向けて

体液循環システムの治療方法「リンパ液編」

をお伝えさせていただきます。

【リンパ液とは】

ポイント1:血漿

血漿とは血液で、血球を除いた液体成分。

水分の他、たんぱく質・無機塩類・糖分・脂肪・窒素化合物などからなり、

老廃物・ホルモン・抗体なども含む。

細胞の浸透圧や水素イオンを一定に保つ働きをする。

ポイント2:細胞間液

毛細血管血液から組織に漏れ出した血漿を細胞間液と呼ぶ。

細胞間液が細胞に酸素や栄養素を渡す役割をしている。

◆ポイント3:リンパ液

細胞間液を毛細リンパ管が吸収したものをリンパ液と呼びます。

リンパ液には赤血球がほとんど含まれていません。

含まれるのは白血球(ほとんどリンパ球)

リンパ液の成分は血漿+白血球で構成されます。

◆ポイント4:細胞間液

細胞間液はほとんどが静脈に回収されるが、

10%程度がリンパ液として毛細リンパ管に吸収される。

◆ポイント5:血流との関連

静脈の血流が低下すると細胞間液の入れ替えがうまく行かなくなると

リンパ管に吸収されるリンパ液が増える。

リンパ液の流れは血流よりもかなりゆっくりなので、

吸収しきれないリンパ液が浮腫の原因となる。

【リンパ液の役割は】

リンパ液は毛細血管が吸収できなかった

「有害物質」「老廃物」「細菌」を運搬・排泄する。

リンパ液内の有害物質はリンパ節によって

有害物質がフィルターにかけられ、破壊されたり中和されたります。

また、小腸で糖質・タンパク質・ビタミンは毛細血管に吸収されるが、

脂質は小腸のリンパ管に吸収される。

【2015年のリンパトピックス】

今まで、首から上にはリンパは存在しないとされ、

脳には独自の免疫システムが構築されているとされていました。

しかし、2015年の研究で、脳にもリンパが存在することが示唆され、

リンパの流れが、脳の機能にも影響する可能性が出てきました。

実際頭蓋仙骨療法で脳脊髄液の流れを改善した後に、

リンパの流れも改善し、むくみが改善する例は少なくありません。

まだ研究段階ではありますが、リンパと脳脊髄液の関係性も

今後徐々に明確になってくるかもしれません。

【リンパまとめ】

リンパ液は体に不要なものを集め、リンパ節で処理することで、細胞の状態を良好に保っている。

リンパの流れが悪くなることで、免疫機能の低下、細胞の機能低下が起きる。

人体最大の解毒システムは肝臓、人体最大の免疫システムは腸管免疫だが、

リンパは全身に細かく張り巡らされ、隅々まで細胞の掃除をしてくれる。

このリンパの流れが滞ることは、様々な不定愁訴や痛み、疾患につながりやすい。

【リンパの流れを改善するポイント】

リンパ液には、血液にとっての心臓のような「ポンプ」がありません。

そのため、全身にある循環システムを改善することでリンパの流れを改善していきましょう。

ポイント1:血流の改善

(アプローチポイント)

・心臓

・血管(主要動静脈)

リンパの流れも大切ですが、やはり主要な血管血流が低下していると

余計に組織間液の循環も促されません。

静脈の血流がしっかりしていればリンパに負担がかかることも減ってきます。

骨・関節・筋のアライメントで、

血管に捻じれや曲がるストレスが多くなっている部分には注意しましょう。

心臓に対しては反射点を使ったアプローチで、横隔膜の動きの改善や

胸椎・胸郭の柔軟性を引き出してください。

◆ポイント2:8つの隔膜

①足底筋膜

②膝の隔膜
・膝窩筋膜

・膝の十字靭帯と横靭帯

③骨盤隔膜

④横隔膜

⑤胸郭出口
・前頚筋膜

・鎖骨下筋、肋烏口靭帯、肋鎖靭帯

⑥後頭下三角

⑦小脳テント

⑧鞍隔膜

やはり一番大切な隔膜は横隔膜となります。

横隔膜の上下運動にて腹腔・胸腔臓器の循環を促すとともに、

大動脈・静脈の血流も改善し、

酸素循環をあげることで細胞に十分な酸素を送り届けることが重要です。

一番大切な横隔膜ですが、人体の中にある隔膜システムは

互いが協調し、助け合いながら動き、循環を維持しているので、

時間があるときはすべての隔膜の評価と調整をしていきましょう。

◆ポイント3:第一肋骨

第一肋骨の可動性は鎖骨下静脈の血流に関与するためチェックが必要。

リンパは最終的には左右の静脈核にリンパ液を戻しますが、

第一肋骨の可動性が悪く、鎖骨下の循環が悪いと

リンパの終着点が詰まっている状態になるため、

リンパの流れのアプローチにはまず鎖骨下、第一肋骨のアプローチから

始めてみてください。

ここの可動性が得られるだけでも、股関節や足関節のエンドフィールが

変化することがあるので評価の指標にしてみても良いと思います。

◆ポイント4:主要リンパ節

・鼠径部

・腋窩

鼠径部・腋窩にはリンパ節が多く、

皮膚の可動性が低下しやすいため自主トレとして指導

することがおすすめです。

鼠径部に関しては

パンティーラインの皮膚を自分でマッサージしてもらいます。

腋窩に関しては上腕三頭筋を自分でもみほぐしてもらうのがおすすめです。

腋窩を丁寧にもんでいるだけでも

血流が良くなってくるのが感じられるはずです。

全身の循環を改善することで、自己回復力を高めていきましょう。

本日も最後までメルマガをご覧いただきありがとうございました。

今日も一日良い時間をお過ごしください。

all アプローチ協会 鈴木 正道

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