栄養学

【栄養学(酸化の恐怖)】「酸化」と書いて「老化」と読む

おはようございます。

all アプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。

本日もメルマガを読んでいただきありがとうございます。

今日は理学療法士、作業療法士、柔道整復師の方々へ向けて

「酸化」と書いて「老化」と読むについて

お話させていただきたいと思います。

そもそも老化のファクターには3大反応が関わります。

その3大反応とは、【酸化】【糖化】【炎症】の3つです。

◆酸化の原因について

・そもそも酸化とは?

人の2大エネルギー源は酸素と脂質。

酸素と脂質は=36ATPを作り出すのに対して、酸素を使わない糖を使った反応では2ATPしか作り出すことができない。

人は進化の過程でより効率的にエネルギーを作り出すために酸素を使うようになりました

しかし、酸素は強い酸化力をもつ活性酸素になりやすいのです。

酸素でATPを作ると最終的には水になるが、1~3%は完全に還元されず、活性酸素となる。

通常酸化とは、活性酸素を介した反応を指す。

【酸素から水までの流れ】

酸素→スーパーオキシド(O2・⁻)→過酸化水素(H2O2)→ヒドロキシラジカル(OH・)→水(H2O)

スーパーオキシド・過酸化水素・ヒドロキシラジカルは酸素から発生する代表的な活性酸素の種類。

【活性酸素が最も作られるのはどこ?】

活性酸素が常に生じている危険な場所とは?

それはミトコンドリアです。

ミトコンドリアは一つの細胞に数百個から数千個あり、酸素を使ってエネルギーを作り出している。

このエネルギー生産の過程でミトコンドリアからスーパーオキシドが漏れ出すことがある。

ミトコンドリア自身もスーパーオキシドによって傷つき、細胞の働きが落ちてしまう。

劣化したミトコンドリアは自動で分解処理される。この自食作用によってミトコンドリアの品質管理がされている。

【酸化の原因は?】

精神的なストレスや、紫外線、大気汚染、たばこ、過度の運動など。

プラス、糖化によって発生する活性酸素が酸化をより促してしまう。

例)精神的ストレス→副腎からコルチゾール分泌→血糖値上昇→甘いものを食べても血糖値下がらない→糖化が進み→細胞の酸化を招く

酸化=炎症=糖化=酸化=炎症といってもいいぐらい関係性が深い。

【活性酸素ができて細胞が酸化するとどうなってしまうの?】

活性酸素は蛋白質や脂質、DNAを傷つける。

蛋白質が酸化すると、代謝を担う酵素を作るのは蛋白質。この蛋白質が酸化されると酵素の活性が下がり代謝全般が滞る。

てことは、肝臓の解毒も進まなくなるし、エネルギーを作り出すことも困難になる。

脂質が酸化すると、細胞膜は脂質からなる二重の膜でできており、ホルモンをキャッチする受容体を備える。

細胞膜を作る脂質が酸化されると受容体の性能が落ち、ホルモンなどの効き目も低下する。

DNAが酸化されると、酸化されると遺伝情報が正しく伝わらなくなり、細胞が癌化するリスクが高まる。

→細胞には酸化した細胞を処分して再生するシステムが備わっているが、酸化ストレスが高すぎると材料が不足し、再生が追い付かなくなる。

ダメな組織が増えると組織や臓器に不調が増え全身にダメージが波及する。

酸化したくないですね……

【活性酸素ができてしまったら体はどうすんの?】

活性酸素が発生して、そのまま体を酸化し続けたら人はあっという間に老化して死んでしまう。

そのための防御策がないわけがないですね!

人の体は解毒でも話した通り、栄養と酵素と水でいらないものは無害な物に代謝してくれます!

スーパーオキシドはスーパーオキシドディスムターゼという酵素で分解され、過酸化水素はカタラーゼ・ペルオキシダーゼ・グルタチオンという酵素で水に分解されます。

【まとめ】

そもそもなぜ、酸化の話をしたかと言うと、私は外来専門になってから常々思っていたのが、なぜこんなに人によって回復力が違うのか、なぜこんなに簡単に治る人と治らない人がいるのか?

なぜ自然に治らないのかを非常に疑問に感じました。

正直入院で脳血管疾患を診ていた時は、外来の整形疾患は、ほっといても治るぐらいに思っていました。

しかし、むしろぐんぐん良くなるのは急性期・回復期の患者様で、外来で長期間の痛みで苦しんでいて、自力では治ることが困難になった患者様こそより難しいことに現場で気づきました。

運動療法・徒手療法だけでなく、細胞レベルでどうして炎症が起きているのか、

なぜ生活しているだけでここまで痛みがひどくなったのか、

動作だけではなく食生活・生活習慣・生活リズムやメンタルの状態まで細かく知る必要性を今は強く感じます。

酸化をひも解いてみると、精神的なストレスが引き起こす糖化・酸化・炎症サイクルが見えてきます。

患者様自身のあり方も大切ですが、そこに気づいていただくきっかけを作れるセラピストが増えてくれるとありがたいです。

次回は酸化に対抗する手段をお話したいと思います。

本日も最後までメルマガをご覧くださりありがとうございました。

今日も一日良い時間をお過ごしください。

all アプローチ協会  鈴木 正道

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