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ALLアプローチ協会 代表 山口拓也です。
今回は、
「なぜ、大腰筋で五十肩が改善するのか?」
というテーマでお話していきます。
「大腰筋」と言えば、腰椎から起始して、大腿骨に付着する筋であり、姿勢の保持や歩行に、とても重要な筋として有名ですよね。
そんな大腰筋をアプローチすることで、「五十肩」の痛みや可動域制限が、
が改善するケースが、臨床上多く診られることがあります。
「では、なぜ大腰筋で五十肩が改善するのか?」
その理由について、解剖学や運動学的特徴から解説していきます。
【大腰筋が原因となりやすい3つの動き】
一概に五十肩と言っても、肩のどのような動きで痛みや可動域制限があるのか?
肩挙上時なのか、伸展時なのか?
患者様によって様々だと思います。
今回は、特に大腰筋が原因となりやすい動きを「3つ」ご紹介いたします。
① 肩関節伸展
肩関節内外転0°で、腕を後ろに引いた時。
② 肩関節水平外転
肩関節90°外転位で後方に腕を引いた時。
③ 肩関節2nd外線時
肩関節90°外転位、肘関節90°屈曲位で肩関節を外旋させた時。
この3つの動きで、痛みや可動域制限がある倍の五十肩は、
大腰筋で改善するケースが特に多いです。
それでは、
「なぜ、大腰筋が上記の3つの動きの痛みや可動域制限を作るのか?」
について解説していきます。
【筋膜のつながりから原因を考える】
上記で挙げた、
① 肩関節伸展
② 肩関節水平外転
③ 肩関節2nd外線
の痛みの原因や可動域制限として考えられる筋として、
反対の作用をする筋(拮抗筋)が原因になっていることが考えられます。
具体的には、
① 伸展⇒屈曲
② 水平外転⇒水平内転
③ 2nd外旋⇒2nd内旋
に作用する筋が考えられます。
その中でも特に関わりが深いのが、
「小胸筋」、「上腕二頭筋(長頭)」
が挙げられます。
この2つの筋が五十肩の原因になりやすいことは、養成校などでも教わってきたレベルの内容だと思います。
ここからが重要になってきます。
この、「小胸筋」、「上腕二頭筋」は、アナトミー・トレインの書籍で記されている
筋膜ラインの中で、
「ディープ・フロント・アーム・ライン(DFAL)」
に含まれる筋になります。
また、大腰筋は「ディープ・フロント・ライン(DFL)」に含まれる筋です。
さらに、「小胸筋」はDFLとDFALを繋いでいる筋とされており、
小胸筋を介してDFLからDFALに移行するラインと、
そのまま上行して斜角筋、頸長筋、顎二腹筋と移行していくラインとで区分されます。
つまり、「大腰筋と小胸筋・上腕二頭筋は筋膜を介してつながりがある」ということになります。
よって、「大腰筋」が短縮していることで、
小胸筋や上腕二頭筋の硬さや滑走不全を引き起こし、
上記で挙げた3つの肩の動きに影響を及ぼし、
結果的に肩の痛みや可動域制限に繋がるといったことが考えられるということです。
【まとめ】
今回は、「なぜ、大腰筋で五十肩が改善するのか?」
というテーマでお話しました。
大腰筋が原因となりやすい3つの特区腸的な動きとして、
① 肩関節伸展
② 肩関節水平外転
③ 肩関節2nd外線
になります。
そして上記3つの動きの痛みや可動域制限となりやすいの代表が、
「小胸筋」、「上腕二頭筋」です。
筋膜のつながりで大腰筋とこの2つの筋は深いつながりがあり、
大腰筋が原因で2つの筋の柔軟性低下・滑走不全を起こし、
結果的に五十肩の痛みの原因となる事があります。
もしあなたが今診ている五十肩の患者様が、
肩関節周囲の治療だけではなかなか痛みが取り切れない。
もしくは、その場は痛みが取れてもすぐに痛みが戻ってしまうのであれば、
大腰筋も評価の対象に入れていただき問題があれば治療をしてみてください。
プレミアムコースでは、腸腰筋のテクニックで私が一番変化のある
テクニックをお伝えしていますので楽しみにしおいてください。
本日は以上になります。
ALLアプローチ協会 代表 山口拓也