おはようございます。
All アプローチ協会 関東支部長 鈴木 正道です。
本日も当協会のメルマガをご覧いただき
ありがとうございます。
今日も、
理学療法士・作業療法士・柔道整復師・整体師など
セラピストの皆さんに向けて、
明日からの臨床ですぐ使える治療テクニックや
介入のヒントをお伝えします。
今回は、「冷え性に対する筋・筋膜アプローチの知識」をみなさんにお伝えしたいと思います。
前回は冷え性のパターンを
①下半身型
足は冷えるが、手などの上半身は冷えず、
30代から中高年の男女に多く見られ、
冷え症の中でもこのタイプに当てはまる人がもっとも多い。
②四肢末端型
手や足の先から冷えるタイプで、
いわゆる「末端冷え性」と呼ばれます。
痩せ形でダイエット志向の強い10代~20代の若い女性に多く、
冷え症の代表的なタイプ。
③内蔵型
手足や皮膚の表面は暖かくても、
体幹深部の体温は低いタイプ。
30代以上の中高年の男女に多く見られ、
特に消化管が冷えているので、
腸にガスが溜まって腹部に膨満感が出やすくなります。
④全身型
全身が冷えるタイプです。
冷え性の中ではめずらしいケースですが、
年齢に関わらず発症します。
の四つのパターンをお伝えさせていただきました。
今日ご紹介する内容は、
実際に冷え性に対して介入する場合に
必要となるポイントをお伝えさせていただきます。
〈筋・筋膜レベルでの問題点〉
単純に冷え性に対して、
運動不足だからではさすがに介入したことにはなりません。
確かに、筋が体の中で最も熱を生産する器官であることは
間違いありませんが、
我々セラピスト、治療家の方々が介入するのであれば
生活しているだけでも自然と血流が改善し、
体温を生産しやすい状態を目指していただけることが大切になります。
では生活していても
体温が生産しにくい状態の筋・筋膜の状態とは
どういった状態でしょうか?
◆ポイント
伸びれない・縮めない状態。
伸びれない、縮めない状態とは生理学的には、
筋肉内にカルシウムが張り込み収縮した状態から、
マグネシウムがカルシウムを筋肉内からとりだすことができずに
筋が弛緩できない状態や
単純に筋硬結があり、局所循環が低下している状態、短縮により伸長ができない状態があります。
特に下腿において目指して頂きたい状態は、
腹這いで寝た状態で、後面から脛骨が楽に触れる状態を
目指していただくことが一つの目標となります。
この伸びれない・縮めない状態・硬結・短縮が
散在しているため、
実質の筋のボリュームがあっても
使えていない、血流が低下している
主動作筋と拮抗筋のバランスが低下しているなど
熱を生産している筋のパフォーマンスを
最大限引き出せていないことが冷えにつながってくるのです。
最初は、単純に筋膜リリースでもストレッチでも良いので
丁寧に下腿後面から脛骨が楽に触れる状態を作ってみてください。
脛骨が楽に触れるほど下腿後面が緩める状態を作ることができれば
その時点で下腿・足先の循環は大きく変化しているはずです。
◆注意ポイント
私が普段見ている時に注意しているポイントを
3つご紹介させていただきます。
1:運動連鎖の観点
単純に距骨関節で話すと
距骨下関節回内・回外がきちんとできるかどうかは、
歩くときの下腿・股関節の内外旋や
体幹の回旋運動にまで波及します。
この運動連鎖が一方向に偏ることで確実に循環は低下し、
動かない関節も増加することで動くだけで
体温を作り出してくれる状態から遠のいてしまいます。
2筋連鎖の視点
運動連鎖ともかぶってくる考えですが、
一つの筋が縮こまっている状態だと
その筋に隣接する筋は伸長され、縮まることができなくなります。
イメージだとこんな感じです(□が骨、→が筋の収縮・伸長方法)
□←→□→←□←→□
この図の真ん中の収縮状態を改善できない状態が筋硬結や
短縮を放置している状態です。
一つの筋の状態が連鎖していって縮めない筋を増やしてしまうので
注意が必要となります。
3:筋・筋膜の捻じれ
理論より実際にやってみましょう。
ステップ1 手の指で曲がっている指を一本見つける。
ステップ2 極上のライトタッチで爪の横を左右からつまむ
ステップ3 ライトタッチのまま軽めの牽引をかけながら捻じれや曲がりを軽く整復する
ステップ4 そのまま1分ほど待つ
手を放した時に指が暖かくなって軽くなることがわかると思います。
筋膜を網タイツだとすると
網タイツの網目の中には毛細血管が入り込んでいます。
この網タイツをぞうきんのように捻じったらどうなるでしょうか?
網目は絞られ血流は低下してしまいます。
こういった状態が指先だけではなく
足部・膝関節・股関節でも起きています。
このねじれを取っていくには1で紹介した運動連鎖の観点も
多いに役立つので運動連鎖が理解できるかたは是非活用してください。
筋膜リリースを扱える方は是非一つ一つの硬結を
丁寧にリリースしていただければと思います。
冷え性に対して使える筋を増やして、
動くだけで体温が上がりやすい
身体環境を整える視点は理解していただけましたでしょうか?
本日のメルマガは以上となります。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今日も一日良い時間をお過ごしください。
鈴木 正道